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台風18号が本州を縦断した8日、首都圏では通勤ラッシュ時に晴れ間が見えていたのに鉄道のダイヤは終日乱れた。JR東日本の大半の路線が運休し、乗り入れている私鉄や地下鉄まで影響を受けたからだ。JRだけが動かなくなった背景には、鉄道事故で運転規制を強化した経緯がある。
 東京都と神奈川県を結ぶ京急電鉄は午前9時半から約1時間半、運転を見合わせた。だが、同社は「運休したJRからの振り替え輸送客で混雑したことが原因。社内で規定する運転規制の風速には達していなかった」と説明する。
 並行するJRの東海道線は午前6時54分、神奈川県の二宮―国府津間が運休。運休区間は広がり続け、全線復旧まで約5時間を要した。
 JR東は現在、風速が毎秒20メートルを超えると徐行運転し、同25メートル超で運休する規定だ。05年12月に羽越線(山形県)で突風を受けた特急電車が脱線横転して乗客5人が死亡。06年1月に従来の規制値を同5メートルずつ厳しくした。また、昨年度末現在で在来線の風速計を羽越線事故時の3倍に当たる674基設置した。担当者は「風速計が増えるほど、運休したり復旧が遅れたりする面はある」と認める。
 この結果、首都圏の在来線だけでも過去最大規模の約2600本が運休、約296万人に影響する事態になった。
 今回の影響について、JR東は「お客さまに迷惑をかけたのは申し訳ないが、安全を優先させた結果だ」と説明している。(小林誠一)
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