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日本人の顔は江戸時代まで、西日本より東日本の人の方がのっぺり顔だった――。古墳時代から現代までの頭蓋骨(ずがいこつ)の分析から、そんな特徴の傾向があることがわかった。佐賀大学医学部の川久保善智助教らが分析し、日本人類学会大会で発表した。
 3~20世紀の681例の頭蓋骨について、額やほお、鼻の付け根、ほおから口元にかけての立体性を数値化し、北海道、東北、関東、近畿、九州北部及び山口の5地域で分析した。
 全体的に時代がたつにつれて、ほおや目尻の位置が後ろに移ったり、顔のえらが減ったりして顔の幅が細くなって立体化が進んでいる特徴があるが、東西地域で目立った違いが確かめられた。
 近畿や九州北部では、古墳時代から立体化がより進み、江戸時代には鼻筋の通った現代人並みの顔の形になっていた。これに対し、関東や東北では比較的だんご鼻の平坦(へいたん)な顔が江戸時代ごろまで続き、江戸から現代にかけて立体化が一気に進んでいた。ただ、東日本でも北海道は別で、近世まで、ほかの地域と比べ、より立体的な特徴があった。
 川久保助教は「地域ごとの差がなくなってきたのは、明治から昭和にかけて。食べ物の調理の仕方など地域ごとの文化の違いも、顔立ちに表れていると思われるが、江戸時代より後に人の移動が活発になったことにより、違いがなくなったのではないか」とみている
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