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国土交通省の外郭団体の民間都市開発推進機構(民都)が手がける都市部の再開発事業で、主要業務である土地取得が終了しているにもかかわらず、国からの無利子の貸付金や基金などの資金を抱えていたことが会計検査院の調べで分かった。検査院は28日、必要な貸付金などを除いた約1190億円を速やかに国に返金するよう求めた。
 検査院は9日にも、農林水産省が公益法人などに設けた基金が既に役割を終えたとして、補助金など約353億円の返還が必要などと指摘。国の財源に使える新たな「埋蔵金」が次々と発覚している。
 民都は94年から、バブル崩壊で取引が低迷していた都市部の土地を取得譲渡するなどして、民間企業による再開発を後押しする業務をしていたが、各地の開発が進んだことから土地取得事業は04年度に終了した。
 業務の費用として、国はこれまで民都に無利子で貸し付けており、08年度末で1097億円に上っている。他にも国からの補助金約190億円などでまかなわれた2基金が残っている。国の公益法人の基金見直しに伴い、民都はこのうち90億円を09年度に国に返した。
 検査院が09年度から14年度までの業務の支出額を試算したところ、計7億2千万円となった。検査院は、残った約1190億円について、業務の実態に見合わない不要な貸付金や補助金などで、国に返すべきだなどと指摘した。
 民都は「国交省と協議して対応したい」とコメント。同省は「基金への補助金の残りと貸付金については、検査院から指摘があり、さらに大臣からの指示により、早ければ今年度中に返還手続きを取りたい」などと話している。(前田伸也)
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